小児歯科について

小児歯科とは何か?

小児歯科

小児歯科は一般的に18歳頃までと言われておりますが、当院は学童期(12〜13歳まで)を小児歯科として考えております。

小児歯科は大きくわけて3つに分けられると思っております。

  1. 乳歯期
  2. 混合歯列期
  3. 永久歯期

個人差はありますが、12歳〜13歳までの間に全ての歯が永久歯に生え変わると言われております。永久歯に全て生え変わるまでを小児歯科として定義しております。

当院の考える小児歯科の時期を越えると、お子様自身ときちんとコミュニケーションが取れるようになりますので、大人と同じ予防プログラムを行っていきます。

当院の小児歯科を受診する方の傾向

1.親御さんの苦い経験で連れてこられる

当院の小児歯科を受診されている親御様の概ねが、お子様の検査でご来院されます。
お子様の検査をする大きな理由は、親御さん自身がお口のお悩みを持たれていて、自分の子供にはそういった思いをさせたくないと思ってご来院される方が多くいらっしゃいます。

2.市区町村の医療助成制度を利用している

現在の医療助成制度では、自己負担がかからず歯科を受診していただくことが出来ます。
そういった制度を歯科に来院する入り口として利用されている患者様が多くいらっしゃいます。

※当院は豊島区ですが、東京都の方であれば利用することが出来ます。

リンク:東京都福祉保健局のページへ

当院が小児歯科で最も大切にしていること

1.乳歯期で大切にしていること

親御さんにお口の中の関心を持っていただきたい

乳歯期で最も大切なのは、親御さんのご協力です。自分で歯を磨けない小さなお子様には親御さんが歯磨きを。そして、自分で歯を磨けるお子様には仕上げ磨きを手伝ってあげてほしいと伝えています。

そうすることで、お子様のお口の中の変化(お子様がきちんと磨けるようになっているか?)を知ること出来、親子でコミュニケーションが取れるようになります。

磨けているお子様を褒めたりしながら、親子でお口の中への興味関心と予防することの大切さを実感していただきたいと考えております。

2.混合歯列期

この時期は歯並びが決定する時期です。なぜなら、この時期が一番顎の発達が活発になる時期だからです。この時期に親御さん自身が、お子様の歯並びを気にして当院にご来院される方が多いのですが、あまり焦らないようにお話をしています。
歯並びが気になるようでしたら、お口の中を見せていただきながら、咬合誘導(咬み合わせを誘導する)をご提案させていただきます。

適切な時期を逃すと、大掛かりな矯正歯科治療を行わなければなりませんので、歯並びが気になりだしたらまずは検査をしてくださいとお伝えしております。

3.永久歯期

永久歯が生え揃う時期になると、お子様自身にも自我が芽生え、きちんとコミュニケーションが取れるようになります。

ですので、お子様ときちんと対話をしながら、大人と同じ予防プログラムを受診していただき、健康で健やかな口腔内を実現するように、二人三脚で予防を頑張っていきます。

親御さんに意識していただきたいこと

1.乳歯は放置してはいけません

乳歯はむし歯になると進行が非常に早く、すぐに神経までむし歯が到達します。
歯の根までむし歯が到達すると、治療をしても再発を繰り返す可能性が高くなります。

むし歯によって乳歯が抜けてしまうと、本来あるべき部分に歯がなくなってしまうので、隣の歯が抜けたところに傾いてきます。そうすることで、本来生えるべき永久歯のスペースが無くなり、永久歯が生える時期になると歯並びが悪くなってきます

ですので、乳歯は抜けるからと言って放置してはいけません。乳歯期はお子様にとって大切な時期なのです。

2.親御さんのお口の環境がお子様のむし歯に影響を及ぼします。

このような事をしていませんか?

  • お口にチュー
  • 同じ食器の共有
  • ご飯の口移し
  • 親御さんの歯ブラシの共有

上記のような行動で、親御さんのお口からお子様のお口へむし歯菌が入り込んでしまいます。

3歳ぐらいでお子様のお口の中の環境が整うと言われておりますが、最低限その時期までは上記のような行動を控えることが大切です。

3.親御さんのお口の環境を整えるようにしましょう。

親御さんのお口の環境は、お子様のお口の環境に与える影響が大きいです。
お子様を妊娠したときから、夫婦でお口の環境を整えることを始めましょう。

親御さんがお口の中の環境を整えておくことは、お子様のお口に関するリスクを下げる要因になり、産まれてくるお子様やお子様の成長を支える上で、最高のプレゼントになります。

しかし、お口の環境を整えることは今日からでも可能です。まずはお子様と一緒にご来院いただき、検査を行って適切な治療や予防を行っていきましょう。

当院が行っている小児歯科の予防・治療方法

乳歯期

予防方法

  1. 親御さんの啓蒙
    乳歯期は親御さんがお子様の歯磨きや仕上げ磨きを行って、お口の変化を感じていただくことが最も予防に大切なことだと考えております。
    この時期のお子様のお口は非常に敏感で、歯ブラシでゴシゴシ磨くと痛いと感じている可能性があり、それがきっかけで歯磨きが嫌いになるお子様が多くいらっしゃいますので、まずはお口に物を入れる恐怖感を無くす方法や、正しい歯磨きの方法、仕上げ磨きのコツなどをお伝えするようにしています。
    それと同時に親御さんのお口の環境も整えます。親子で取り組むことで、小児歯科の重要性を体感していただきます。
  2. フッ素塗布(歯質強化)
    フッ素塗布は、むし歯を抑制するための歯質強化として行います。
    むし歯菌は、磨きのこしに含まれる糖を栄養分として繁殖していきます。それより乳酸菌を生成し、歯を溶かしていきます。それを抑制するためにフッ素塗布を行い、歯質強化をしながらむし歯予防を行います。
  3. シーラント
    「シーラント」は、咬合面(奥歯の咬み合う面)にできる虫歯の予防の方法です。あらかじめ、虫歯になりやすい奥歯の溝を接着力のあるプラスチックで埋めてしまいます。このプラスチックは虫歯を削ったとき詰めるものと同類のレジンという材料なので、きちんと埋めていれば虫歯にならないという考えで普及し始めました。 六歳臼歯に効果的 です。

治療方法

  1. むし歯治療
    一般的なむし歯治療を行います。むし歯の部分を最小限削り、コンポジットレジンという素材で削った部分を詰めていきます。
  2. 神経の治療
    むし歯が進行して大きな痛みを伴った場合、神経までむし歯が到達している可能性があるので、検査をした上で神経の治療を行います。
    治療をしたあとは被せ物を装着しますが、乳歯期の被せ物は削った部分を補うためだけでなく、正しく永久歯が生えてくるためのスペース確保として被せ物をするという理由もあります。
  3. カリソルブ
    カリソルブは“歯を削らずにむし歯の部分だけ溶かす”という大きな特徴があります。
    一般的なむし歯治療では、タービンを使用して歯を削らなければ治療ができなかったのが、カリソルブはむし歯だけにアプローチすることによって、健康な歯に与えるダメージを最小限に抑えることが出来ます。
    ※むし歯の状況によっては、むし歯の入り口のみを削ることがあります。
    ※この治療は自費診療になります。(税込 8,640円)

混合歯列期

予防方法

  1. 磨き残しを作らない
    混合歯列期は乳歯と永久歯が混在する時期です。歯の生え変わりのタイミングによっては、食べかすが詰まりやすくなるので、磨き残しを作らないことが一番効果的な予防方法と言えます。
    親御さんが仕上げ磨きを手伝ってあげながら、磨き残しのチェックを行い、むし歯にならないようにしましょう。
    フッ素(歯質強化)やシーラント(むし歯予防)は乳歯期と同じように引き続き必要なります。

治療方法

  1. むし歯治療・神経の治療
    乳歯期と同じように治療を行います。
  2. 咬合治療
    混合歯列期は、骨格の成長が著しい時期です。咬み合わせや歯並びに大きな影響を与える時期なので、将来永久歯になった時に、正しいかみ合わせになるか?きれいな歯列になるか?を見据える大切な時期になります。
    お子様のお口の状態は日に日に変わっていきますので、定期的に歯科を受診することをお勧めします。
    お子様の将来のお口の状態を良好にするために、適切なタイミングで適切な治療を行います。
    治療方法としては、咬合誘導と小矯正、歯列矯正があります。

咬合誘導症例

小学校1年生(初診時)
左の前歯が斜めに生えてきました。

こんな装置をつけます。
と・・・一週間で正しい位置に誘導できます。
あとお子さんの成長とともに・・・・

綺麗に生えてきました。
衛生指導も続けていたため、歯肉も綺麗に

永久歯期

予防方法

  1. むし歯にならずに永久歯の定着を迎えた方の予防プログラム
    15〜17歳になると永久歯が安定してきます。その年齢を超えると一生その歯と付き合っていきます。これまでにきちんとむし歯のない歯で永久歯の定着を迎えられたお子様は、それを維持してくための予防プログラムを実施していきます。
    ※詳しくは予防歯科のページを御覧ください。
  2. 永久歯に生え変わる段階でむし歯になってしまった人の予防プログラム
    永久歯に生え変わる段階でむし歯になってしまった人は、原因があります。
    原因が生活習慣なのか?口腔内の環境なのか?によって、予防のプログラムが変わります。患者様の状況に最適な予防プログラムを実施します。
    ※詳しくは予防歯科のページを御覧ください。

治療方法

  1. むし歯治療・神経の治療
    永久歯が定着したら大人と同じ治療を行います。
    詳しくはむし歯治療のページを御覧ください。

最後に

小児歯科は、親御さんのご協力が必須です。親御さんが嫌な思いをしたことをお子様が感じることがないようにするためには、できるだけ治療でなく、予防に取り組んでほしいと思っています。

お子様が将来歯の大切さに気付いたときに、親御さんの取り組みが伝わると思います。
まずは、親御さんがお子様と一緒に予防歯科を初めて見ることで、歯科をお子様と楽しんでいただけることを当院は望んでいます。

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