軽度歯周病の症例

初診時

初診時の口腔内写真

数日前から歯茎が腫れて痛みが止まらないということで、当院に来院されました。

お話を伺うと、幼少期から歯茎からの出血に気が付き、小学生の時には歯磨きのときに出血、高校生のときには口腔内全体から出血があるということがわかりました。

それだけでなく、19歳のときに強引に抜歯されたことが恐怖感となり、ブラッシングをするようにはなったが、出血と腫脹を繰り返していたそうです。

初診時の口腔内写真

前後左右の口腔内写真

全額的に、発赤・腫脹が著しい状態でした。口腔内清掃の状態も悪く、多量のプラーク・歯石が沈着していました。

左側は、上下顎ともプロービング検査後洗浄をしましたが、出血は止まりませんでした。
※プロービング検査=歯周ポケットの深さを測る検査です。

初診時のレントゲン写真

初診時のレントゲン写真

レントゲンを見ると、全体的に水平的な骨吸収がややありますが、歯周ポケットは比較的浅く、深いところでも4〜5mmでした。歯と歯ぐきの境目付近に隙間が見えますが、これが吸収されている状態です。
※骨吸収=骨が溶けていることです。

診断結果:広汎型慢性歯周炎

診断時の口腔内写真

ロービング検査、レントゲンでの検査の結果、歯周ポケットと深さの範囲が4mm程度でしたので、軽度歯周病(広汎型慢性歯周炎)と診断しました。

治療計画の立案

検査の結果と患者様の状態を加味し、下記のような治療計画を立てました。

実際の治療を解説します

STEP1:急性炎症への対応

急性炎症の写真

まずは急性炎症を抑えるためにイリゲーションを行い、炎症の軽減を図りました。

炎症の周囲をキレイにして、歯面についているプラークを取り除きました。きちんと取り除けると、炎症がおさまります。

※イリゲーション=歯と歯の境目をキレイにする処置のこと。

STEP2:歯周基本治療(TBI)

TBI(歯周基本治療)

歯周基本治療の始めは、TBIを中心に進めていきました。歯肉は浮腫性であることから、強く磨いてしまうと歯肉退縮を起こすことが考えられるので、細心の注意を払いながらブラッシングを徹底するようにしました。

歯肉の状態を考えると、柔らかい毛の歯ブラシを使用することを提案しました。理由としては、柔らかい毛の歯ブラシは、柔軟に歯面に密着し、多くの面積に毛先が当たる。そして、歯間部にも入り込みやすいので、デンタルフロスの使用が楽になります。

また、主張した歯肉に対しても柔らかいけは痛みを軽減させることができます。
TBI=ブラッシング指導のこと

※歯ブラシの左が患者様が使用していた歯ブラシ、右が歯科衛生士が処方した歯ブラシ

初診から45日経過

初診から45日後の写真

当初痛みがあって磨けなかったところも、痛みがけいげんされることで磨きやすくなり、苦痛がなくなったことで、ブラッシング習慣も身についてきました。

初診から2ヶ月経過

TBI(歯周基本治療)

初診から2ヶ月経過すると、プロービング時の出血がほとんどなくなり、歯肉が好転してきた状態を見極めて、歯肉縁上のスケーリングを行いました。

このとき、痛みや恐怖心を感じさせないようにして、スッキリした感じを体感してもらえるように心がけました。

さらに、炎症が軽減された頃合いを見計らって、歯肉縁下のスケーリングをはじめました。

※歯肉縁上=歯冠部(見える部分)
※歯肉縁下=歯周ポケット内
※スケーリング=歯石を除去する治療法

再評価(初診から3ヶ月経過)

再評価(初診から3ヶ月経過)

額的に歯肉の発赤・腫脹は改善されて、歯肉が引き締まりプロービング時の出血も無くなりました。担当医の再評価により、SPTへ移行しました。
※SPT=良好な状態を長期維持をするための治療

結果

再評価終了後、良好な状態を維持するための治療(定期検診)に移行することができました。ご覧になられている方に伝えたいのは、歯周病は治りますが、その状態を維持するために継続的な検診が必要になります。基本的には3ヶ月に1度は検診されて状態を確認することをオススメします。

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