中等度の歯周病症例

1初診時
初診時の患者様の主訴は、3つありました。
・上顎前歯の腫れと痛みを繰り返して、違和感がある。
・口の中がネバネバして、不快感が常にある。
・歯周病の検査をしっかりと受けてみたい。

現病歴は、知り合いの歯科医師の元で補綴の治療中。
歯周病の治療を行っているが、改善されず痛みと腫れを繰り返している。

既往歴は、4年ほど前に全顎の除石を6回経験。併せてTBI(セルフケアの指導)を受けており、3ヶ月に1度のメインテナンスを継続して受けている状態でした。

1.1 初診時の口腔内写真
口腔内全体に発血腫脹が認められ、不良補綴物によるプラークの付着も確認できました。また、4番2番の部分にはクレフト(歯の生え際の裂け目)を認めました。

1.2 診断
検査の結果、広汎型慢性歯周炎と診断されました。

1.3 歯周基本治療の開始
口腔内は全体的に不良補綴物があることでプラークコントロールが容易ではないことがわかります。

特に上顎前歯部においては写真からは分かりづらいかもしれませんが、右上1番左上1番の補綴物のマージン(幅や形)があっておらす、そこにプラークが入り込んで磨くのが困難でした。右下7番のオーバーカントゥアー(修復物における頬舌面の膨隆が過剰な状態)で毛先が当てづらいことや、形態が大きいことでプラークコントロールをしずらくさらにファーケーション(歯根と歯根の間の部分)の存在で正確なブラッシングが必要となってきます。

このような状況下の中でも、よく磨けていると思いますが、きちんと磨けるようになるために患者様と二人三脚で、最も磨き残しのないブラッシングを作り上げてきました。

2 再評価
そして再評価です、左上4番に5mmのポケットが残っているものの、プラークコントロールが良好になったため私の見方からはSPTに移行してもいいのではと判断し院長に相談した結果SPTに移行しました

再評価時の口腔内写真です。
出血もほとんどなく、プラークコントロールも良好の保たれていると思います右上の3番1番については他医院に通院中のためプロビジョナルに置き換えられたいます。

3 問題の発覚
SPTに移行して間もなく他医院で補綴物がセットされそして2年が経過しました。問題が起きました、右下7番に違和感を訴えたためブリッジを外したところ破折していました。そして抜歯となり治療方法は義歯かインプラントとなることを説明され、義歯を選択されました。義歯を入れたことで補綴物に対する理解度が高まったようで歯周基本治療の時より話していた不良補綴物の部分を治すと言っていただけました。

4 義歯の装着(不良補綴物の再治療)
義歯に対しては、審美性を一番に考えてほしという希望でエステショットを装着することになりました。
患者さんは「こんなにも磨きやすい」と驚きと嬉しさを隠しきれない様子でした。
ここまでの道のりはたやすくありませんでした。なぜなら、知り合いの歯科医の存在が大きいことや、補綴をやりかえたばかりであったということがあったからです。ではそれはなぜなんでしょうか?思い返してみてみると、それを少しずつ変えていったのが歯周基本治療のTBIから始まっているのだと思います。

5 治療終了時
最終的に、二人三脚の治療が功を奏し、ここまでくることが出来ました。当初より考えていたホームケアをしやすい環境を作ったことにより患者さんはとても磨きやすくなったと喜んでいただいています。この信頼関係がさらなる治療へとつながっていくことを私は願っています。